ちくり裏事情板1-429

429 名前:大阪での話です :2001/07/25(水) 12:45
厨房の頃、虐められっ子とまではいかないけどみんなの嫌われ者のK君がいました。
彼は私と同じ吹奏楽部に所属していました。

ある日の部活の終わり際に、同じく吹奏楽部のT君と嫌われ者のK君が軽い口喧嘩の
ようなものをしましたが、それは変な話ですが見慣れた風景だったので別に気にもして
ませんでした。

そして、その帰りがけ、私とT君が一緒に暗くなってしまった中学校の門を出ようとした
時、先ほどの喧嘩で何かが吹き飛んでしまったのか、K君が棒のような物をもって、
叫びながら追いかけて来ました。

その棒のようなものは、演奏時に楽譜を開いたまま乗せる為の譜面台で、この譜面台
は折りたたむと片手でちょうど握りきれないくらいの太さの棒になるんです。

ともかく、その棒状になったものを振り上げながらK君が走って来ました。

その時私は、何故か映画を見ているような気分になったのを覚えています。

続きます。


430 名前:大阪での話です :2001/07/25(水) 12:45
続きです。

我々二人は門の脇の壁に追いつめられるような状況になり、K君は、走ってきた勢い
のままT君の頭上に棒状の譜面台を振り下ろしました。
が、たまたま我々が壁際に追いつめられていた事が幸いして、その棒状の譜面台は
壁に遮られるような形でT君の頭にはヒットしていないように見えました。

そのままもみ合うような喧嘩が始まりましたが、すっかり夜になっていた為叫び声が
職員室まで届いたようで、すぐに先生が来てその喧嘩は終了しました。

そして、「とにかく今日は帰れ」という先生の指示通り我々二人は帰り道についたので
すが、街燈の下に来た時にT君の頭から血が流れているのに気付きました。
そして、上着を脱いでみると、内側に着ていた薄手の白いセーターが真っ赤染まって
いる状態でした。

実は、譜面台がちゃっかりヒットしていたようで、T君はその後すぐ喧嘩に突入した為、
ほんのちょっとした頭の痛みは全然気にならなかったようです。

あの時我々がもし壁を背にしていなければ、T君の命は無かったのかも、と戦慄を覚
えたもんです。


  • 最終更新:2011-01-25 14:25:58

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード